【池上】花粉症の治療には舌下免疫療法がおすすめ｜久が原ファミリークリニック｜小児科・内科 ｜大田区久が原・池上

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎の治療法の一つです。アレルゲンが含まれた治療薬を舌下に含んで、しばらくしてから飲み込みます。

舌下免疫療法は自宅で行うことが可能です。簡単で継続的な治療が可能なことから、結果的に効果の高い治療法になりました。臨床試験の結果、約8割の人に効果があることがわかっています。そのうち約2割の人は症状が出なくなり、約6割の人が症状の改善に至りました。免疫を体内につくる治療法ですので、根治も期待できます。

服用期間の例

毎日1回、最初は少量の治療薬を服用します。その後は医師に決められた服用量を約3～5年にわたり継続して服用しなければなりません。最初は、医師の指示のもと服用してください。投与後約30分間は院内で経過を見る必要があるためです。

2日目以降の約2週間は、増量期として自宅での継続した服用を行います。増量期は投与するアレルゲン量を少しずつ増やして、身体を慣れさせるのが目的です。その後は維持期として毎日定められた量を服用し続けます。自宅での服用が可能ですが、少なくとも月に一度の受診が望ましいでしょう。

使用方法の例

治療薬を舌下に含み、治療薬ごとに定められた時間を保持したあと、飲み込みます。服用後、約5分はうがいや飲食は控えてください。現在、スギ花粉症の治療薬はシダキュア、ダニアレルギー性鼻炎の治療薬はアシテアやミティキュアがあります。スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎の治療薬は異なりますが、治療の開始時期をずらすことで両方の治療を並行して受けられます。

舌下免疫療法の副作用

現在、以下の副作用が報告されています。

主な副作用

• 口腔内の炎症、舌の炎症、口内炎
• 咽頭のかゆみ、不快感
• 耳のかゆみ
• 頭痛
  など

重篤な副作用

• ショック
• アナフィラキシー

アナフィラキシーはアレルゲンなどの侵入により起こる過敏反応です。蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛、嘔吐など消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、血圧低下などの循環器症状が見られます。

※舌下免疫療法の副作用として極めてまれですが、万が一アナフィラキシーや意識を失うショック症状が見られたときは、迷わずすぐに救急車を呼んでください。

舌下免疫療法を行うにあたっての注意点

以下に該当する方は、舌下免疫療法を受けられません。

• 過去に治療薬のシダキュアでショック症状を起こしたことがある人
• 重症の喘息の人

また、以下に該当する場合、治療は受けられますが注意が必要ですので、病院で相談してください。

• アレルゲンを使用した検査や治療でアレルギー症状を起こしたことがある
• 喘息患者
• 悪性腫瘍、免疫不全、自己免疫疾患がある
• 重症の心疾患、肺疾患がある
• 高血圧