2026年8月にインフルエンザが異例の流行!インフルエンザワクチンはどうする?|大田区久が原の内科・小児科|久が原ファミリークリニック|池上駅徒歩12分・土曜日も診察対応
2026年8月にインフルエンザが異例の流行!インフルエンザワクチンはどうする?
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今年のインフルエンザは、昨シーズンより1か月以上早い「8月」から流行が始まっています
例年ですと「インフルエンザ」という言葉を意識し始めるのは11月から12月頃ですが、今シーズンは様子が大きく異なります。2026年は8月の時点ですでに全国で流行入りが発表され、当院にも「もう流行っているのですか」というお問い合わせが増えています。
このブログでは、今シーズンの流行状況、なぜこれほど早く流行しているのか、今年のワクチンはこの流行にどう対応しているのか、そして注射ワクチンと経鼻ワクチン「フルミスト」をどのような方にお勧めするか、いつ受けるべきかについて、現時点で分かっている情報をまとめてご説明します。
注射とフルミストそれぞれの特徴の詳しい比較は、別記事「インフルエンザワクチンの種類と選択について」でご紹介していますので、そちらもあわせてご覧ください。
(執筆監修:久が原ファミリークリニック 院長 森川日出男)
国立感染症研究所の定点調査をもとに、東京都は2026年8月27日、全国では8月28日にインフルエンザの「流行入り」を発表しました。
出典:厚生労働省「インフルエンザの発生状況をお知らせいたします」(2026年9月4日発表、令和8年第35週分)
流行入りの目安とされる「定点あたり1人」をこの時期に超えたのは、1999年に現在の調査方法が始まって以来、2009年の新型インフルエンザ(H1N1)の世界的流行に次いで2番目の早さです。その後の週でも報告数はさらに増加しており、直近の週(8月24日〜30日)では東京都・全国とも流行入り発表時点からさらに上昇しています。
昨シーズン(2025年)は、同じ水準に達したのが9月22日〜28日の週でした。つまり今シーズンは、昨年よりも1か月以上早いペースで流行が始まっていることになります。
夏にインフルエンザが流行するというのは、多くの方にとって直感に反する出来事だと思います。まずは「今年は例年のスケジュール感が通用しない」という点を押さえていただくことが大切です。
今回の早期流行の主な要因として指摘されているのは、次の2点です。
インフルエンザウイルスは「型(A型・B型)→亜型(H1N1・H3N2など)→クレード→サブクレード」という階層で分類されます。サブクレードKはA型H3N2の中の一系統で、正式名称は「J.2.4.1」です。まったく新しいウイルスというより、これまでのA香港型(H3N2)が変異を積み重ねてできた系統とご理解いただくとわかりやすいかと思います。
厚生労働省の資料によれば、2025年夏以降、国内外でサブクレードKの検出が確認されました。
さらに直近のJIHS(国立健康危機管理研究機構)のデータ(2026年4月時点、国内解析株275株)では、サブクレードKの割合は97.1%にまで達しており、ほぼすべてのA香港型がサブクレードKに置き換わったことになります。
このように、サブクレードKは去シーズンから現在に至るまで、非常に高い割合で検出され続けている状態です。通常であれば夏場に一度流行が下火になりますが、今年はサブクレードKの流行が収束しきらないまま、伝播が夏の間も継続していたとみられています。つまり「去年の秋・冬から続いている流行の波が、収まりきらないまま今シーズンに突入してしまった」というのが実情に近く、これが夏場からの異例の早期流行につながっている大きな要因と考えられています。
なお、サブクレードKは若年層の間でも広がりやすいとされ、学校や家庭内での感染が連鎖しやすいことも、流行の立ち上がりを早める一因になっていると考えられています。これに加え、海外との往来の本格的な回復や、コロナ禍を経て人々の免疫状況が変化していることも、複合的に影響していると考えられています。
サブクレードKが広がり始めた当初は、それまでのワクチンで使われていた株とはやや性質が異なっており、ワクチンの効きが弱まる可能性が心配されていました。そこで今シーズン(2026-2027年)のワクチンでは、このサブクレードKの流行状況を踏まえて、より近い性質を持つ株があらためて選び直されています。
厚生労働省・国立健康危機管理研究機構(JIHS)が公表している情報をもとに、今シーズンのワクチン株を前シーズンと比較すると、以下のようになります。
| 型 | 前シーズン (2025-2026年)の株 |
今シーズン (2026-2027年)の株 |
サブクレードKとの関係 |
|---|---|---|---|
| A型H1N1 | A/ビクトリア/4897/2022 | A/スイス/6849/2025 (IVR-278) |
H1N1型のため、サブクレードK(H3N2内の分類)は該当なし |
| A型H3N2 | A/パース/722/2024 | A/ミシガン/105/2025 (SAN-049A) |
サブクレードKに属する株。サブクレードKのウイルスに対する血清と非常によく反応することが確認されている |
| B型 (ビクトリア系統) |
B/オーストリア/1359417/2021 | B/東京/EIS13-175/2025 | B型のため、サブクレードK(A型H3N2内の分類)は該当なし |
表のとおり、サブクレードKはA型H3N2の中だけに存在する分類のため、直接関係するのはH3N2株のみです。前シーズンのH3N2株「A/パース/722/2024」はサブクレードK以前の株でしたが、今シーズンは「A/ミシガン/105/2025」に切り替わり、サブクレードKに属する株が採用されています。国立健康危機管理研究機構の解析でも、この株に対する血清は現在流行しているサブクレードKのウイルスとよく反応することが確認されており、今シーズンのワクチンは去年よりもサブクレードKに対応しやすいものになっていると考えられます。なお、H1N1型・B型はそれぞれ別の系統でウイルスが分類されており、サブクレードKとは直接関係しません。
サブクレードKの症状自体は、高熱・のどの痛み・咳・鼻づまりなど、従来のインフルエンザと大きく変わらないとされており、ワクチン接種で重症化や入院のリスクを下げる効果も引き続き期待できます。
今シーズンから、多くの医療機関で経鼻タイプの生ワクチン「フルミスト」を選択できるようになっています。注射(不活化ワクチン)とフルミスト(経鼻弱毒生ワクチン)それぞれの特徴や違いについては、当院の別記事「インフルエンザワクチンの種類と選択について」で詳しく解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。ここでは、どのような方にどちらが向いているかの目安をまとめます。
どちらのワクチンが適しているかは、年齢だけでなく持病の有無やこれまでの接種歴によっても変わってきますので、迷われる場合は受診時に遠慮なくご相談ください。
ワクチン接種後に効果が出るまでにはおよそ2週間かかり、その効果はおよそ5か月間持続するとされています。例年であれば、流行のピークが1月から2月頃に来ることが多いため、10月中〜下旬に接種を開始し、12月上旬までに完了しておくというスケジュールが目安とされてきました。
ただし今シーズンは、すでに9月の時点で流行が始まっているという特殊な事情があります。効果の持続期間を踏まえると、極端に早く接種してしまうと、例年どおりのピーク時期には効果が弱まっている可能性も考えられます。そのため、多くの医療機関では「例年より前倒しで、ただし打ちすぎない適切なタイミングで」という考え方が示されています。目安としては以下のようなスケジュールです。
今年はインフルエンザがすでに流行してしまっているため、自治体の判断で接種が早まる可能性があります。(例年は自治体からの補助が出るのは10月1日からです)9月11日時点で大田区はまだ発表がありません。発表になり次第、お伝えしたいと思います。
ワクチン接種以外にも、手洗い・うがい、室内の湿度管理、体調不良時の早めの受診といった基本的な感染対策もあわせて心がけていただくことが、今シーズンを元気に乗り切るポイントです。ご不明な点やワクチンの選択に迷われる際は、久が原ファミリークリニックまでお気軽にご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方などは、接種前に必ず医師にご相談ください。
<この記事の監修者>

森川 日出男(もりかわ ひでお)
久が原ファミリークリニック 院長
経歴
日本医科大学卒業。国立病院機構 東京医療センターにて初期研修、総合内科後期研修、小児科後期研修を修了し、同センター総合内科医員を務める。その間、松原アーバンクリニックの非常勤医師として訪問診療に従事。その後、自由が丘メディカルプラザにて内科・小児科・訪問診療に従事し、久が原ファミリークリニックを開業。
資格・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
臨床研修指導医(厚生労働省)
日本小児科学会/日本内科学会/日本プライマリ・ケア連合学会/日本感染症学会
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