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【2026年】ダイエットがうまくいかないのは意志が弱いから?遺伝と代謝適応の関係|大田区 久が原・池上|大田区久が原の内科・小児科|久が原ファミリークリニック|池上駅徒歩12分・土曜日も診察対応

【2026年】ダイエットがうまくいかないのは意志が弱いから?遺伝と代謝適応の関係|大田区 久が原・池上

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ダイエットがうまくいかないのは、意志が弱いからとは限りません。太りやすさには体質(遺伝)の違いがあり、さらに体には、やせると元に戻ろうとする「代謝適応」というしくみが備わっているためです。

【まとめ】ダイエットがうまくいかないのは、意志の弱さだけが原因ではありません

「食事を減らしても、運動をがんばってもやせない」「やせても、すぐに戻ってしまう」——それは自分の意志が弱いせいだと思っていませんか。実は、体重には体質や体のしくみが大きく関わっています。

  • 体質(遺伝):体格の個人差のおよそ半分〜7割は遺伝によるものと報告されています
  • 同じ生活でも結果は違う:同じだけ食べても、同じだけ運動しても、体重の増え方・減り方には大きな個人差があります
  • 代謝適応:やせると食欲が増え、体が元の体重に戻ろうとします
  • 適応性熱産生:やせると、体が小さくなった分以上に消費エネルギーが減ります
  • 運動の代償作用:運動で使ったエネルギーの一部は、体が自然に打ち消してしまいます
  • 医療に頼ってよい:自分の努力だけで難しいときは、医療機関に相談することも大切な選択肢です

くわしくは下の各章でご説明します。太る原因そのものについては肥満の原因の記事、当院の治療については肥満症治療外来のページをご覧ください。

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※本ブログは、ダイエットがうまくいかない理由と肥満症治療について、大田区の久が原ファミリークリニックが2026年11月に執筆しました。
※本記事は、久が原ファミリークリニック 院長・日本内科学会 総合内科専門医/日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医の森川日出男が監修しています。

 

1.太りやすさは人によって違う:遺伝の影響

大田区 久が原ファミリークリニックのダイエットがうまくいかない理由
同じものを食べ、同じようにダイエットをしていても、太りやすい人とそうでない人がいます。双子や家族を調べた研究から、体格(BMI)の個人差のおよそ半分〜7割は遺伝によるものと報告されています。太りやすさは、身長に次いで遺伝しやすい体の特徴の一つです。

遺伝と太りやすさについて、わかっていること

  • ✓ 太りやすさに関わる遺伝子は約1,000か所見つかっており、一つひとつの影響は小さく、その積み重ねで体質が決まります
  • ✓ これらの遺伝子の多くは、脳での食欲(満腹感・空腹感)の調節に関わっています
  • ✓ つまり、太りやすい体質の人は、同じ量を食べても満腹を感じにくい・お腹がすきやすいことがあります

なお、「遺伝が半分〜7割」というのは、たくさんの人を比べたときの体格の差のうち、遺伝で説明できる割合です。「ある人の肥満の半分以上が遺伝のせい」という意味ではありません。遺伝と肥満についてくわしくは、肥満の原因の記事でもご紹介しています。

2.同じだけ食べても、同じだけ運動しても、結果は人それぞれ

 

体質の違いがどのくらい結果に表れるのかは、実際に生活をそろえた実験で確かめられています。代表的な3つの研究をご紹介します。

研究 内容 結果
同じだけ
食べ過ぎる
一卵性双生児12組が、1日約1,000kcal多く食べる生活を約3か月続けた 体重の増え方は4.3〜13.3kgと約3倍の差。双子同士は増え方が似ていた
同じだけ
運動する
一卵性双生児7組が、食事量はそのままで1日約1,000kcal分の運動を約3か月続けた 減った体重には大きな個人差があり、双子同士は減り方が似ていた
無意識の
活動量
16人が、1日1,000kcal多く食べる生活を8週間続けた 脂肪の増え方には約10倍の差。太りにくい人は、立つ・歩くなどの無意識の活動が自然に増えていた

※いずれも研究のために生活を管理した実験の結果で、個人差があります。

どの研究でも、同じ条件でも結果には大きな差があり、その差は双子同士で似ていました。同じダイエットをしても結果が人によって違うのは、努力の量だけでなく体質が強く関わっているためです。

3.ダイエットでやせると、体は元に戻ろうとする:代謝適応

 

ダイエットで体重が減ると、体はそれを「エネルギー不足の危機」と受け取り、元の体重に戻ろうとします。これを代謝適応(メタボリックアダプテーション)といいます。

大田区 久が原ファミリークリニックのダイエットと代謝適応:やせると食欲が増え(体重1kg減るごとに1日約100kcal)、消費エネルギーが減り、体重が元に戻ろうとするしくみ

やせると体に起こること

  • ✓ 脂肪から出る満腹ホルモン(レプチン)が減る
  • ✓ 胃から出る空腹ホルモン(グレリン)が増える
  • ✓ 体重が1kg減るごとに、食欲は1日約100kcal増えるという推計があります

10週間の食事療法で平均約13kgやせた人たちを調べた研究では、こうしたホルモンの変化と空腹感が、1年たっても元に戻っていませんでした。この間に、体重は平均約5kg戻っていました。

つまり、ダイエット中の「停滞期」や、やめた後の「リバウンド」は、意志が弱いから起こるのではありません。体に備わった、正常な反応なのです。

4.ダイエット中は消費エネルギーまで減る:適応性熱産生と運動の代償作用

 

ダイエットでやせると、食欲が増えるだけでなく、消費するエネルギーも減ります。

適応性熱産生

体が小さくなれば、使うエネルギーが減るのは当然です。ところが実際には、体が小さくなった分以上に消費エネルギーが下がることがわかっています。これを適応性熱産生(アダプティブサーモジェネシス)といいます。

消費エネルギーが減るしくみ

  • ✓ 基礎代謝(安静にしていても使うエネルギー)が予想より下がる
  • ✓ 筋肉が「省エネ」になり、同じ動作に使うエネルギーが減る
  • ✓ 立つ・歩く・こまめに動くなど、無意識の体の動きが自然に減る

体重を10%減らした人を調べた研究では、1日の消費エネルギーが、体格の変化から予想されるよりも約300kcal前後少なくなっていました。

米国の減量番組の参加者を6年間追った研究では、基礎代謝が予想より1日約500kcal低い状態が続いていました。ただし、これは短期間に極端な減量をした特殊な例です。一般的な減量では、ここまで大きな差は出ないという研究もあります。

運動でダイエットしても思ったほどやせない理由:代償作用

運動は健康に欠かせませんが、運動によるダイエットでは「運動した分だけやせる」とは限りません。運動すると食欲が増えたり、運動以外の時間の活動量が無意識に減ったりして、使ったエネルギーの一部が打ち消されるためです(代償作用)。

1,000人以上のデータを調べた研究では、運動などで使ったエネルギーのうち平均約3割が打ち消されており、肥満のある方ではその割合が約半分に達することもありました。

また、約300人の1日の消費エネルギーを測った研究では、活動量がある程度を超えると、それ以上は消費エネルギーが増えにくくなっていました。

5.ダイエット中、体のしくみとうまく付き合うためにできること

 

代謝適応は誰にでも起こりますが、ダイエットの工夫でその影響を小さくすることはできます。

代謝適応とうまく付き合うポイント

  • ✓ 筋トレとたんぱく質で筋肉量を保ち、消費エネルギーが減りすぎないようにする
  • ✓ 歩数や家事など、日常の活動量を意識して保つ
  • ✓ 睡眠をしっかりとる(睡眠不足は食欲ホルモンをさらに乱します)
  • ✓ 急激な減量を避ける(極端な食事制限は大きな反動を招きやすい)
  • ✓ 停滞期は来るものと考え、体重が横ばいでも続けた自分を認める

運動は「やせるため」だけのものではありません。減った体重の維持、筋肉の維持、血圧や血糖の改善など、体重計の数字に表れない効果がたくさんあります。

太りやすい体質の方ほど「続けること」が大切

2025年に、約500万人の遺伝情報をもとにした研究が行われました。その結果、遺伝的に太りやすい人ほど、食事や運動の取り組みで体重がよく減っていました。一方で、取り組みをやめた後は体重が戻るのも早いという結果でした。太りやすい体質の方ほど、無理なく「続けられる方法」を見つけることが大切です。

6.自分の努力だけで難しいときは、医療に頼ってよい

 

ここまでご説明したように、ダイエットでやせても、体には体重を元に戻そうとする強い力が働いています。自分の意志や努力だけでやせにくいのは、当然のことです。

現在の医学では、肥満は「本人の努力不足」ではなく、体質や体のしくみが関わる治療の対象となる慢性の病気と考えられています。ダイエットを何度もくり返してつらい思いをしている方は、一人で抱え込まず、医療に頼ってよいのです。

当院でご相談いただけること

  • ✓ 血液検査などで、太りやすさの原因になる病気や薬がないかを確認します
  • ✓ いびきや日中の眠気がある方には、睡眠時無呼吸症候群の検査をご案内します
  • ✓ BMI25以上の方には、肥満症治療外来で、食事・運動の見直しとあわせて薬による治療(自由診療)をご提案します

当院の肥満症治療について

当院の肥満症治療で使用するマンジャロは、食欲を抑えるホルモン(GLP-1・GIP)に働きかける週1回の注射薬です。代謝適応で増えてしまう食欲を、薬の力で抑えるイメージです。

マンジャロは、肥満症の治療薬として国内で承認され、条件を満たす場合は保険適用にもなっているゼップバウンドと、まったく同じ成分(チルゼパチド)の薬です。ゼップバウンドを保険で処方するには、専門医や管理栄養士が常勤する学会認定の施設であることなどの条件があります。

当院はこの条件にあてはまらないため、自由診療でマンジャロを使用しています。

治療にかかる費用は、初回が診察料3,300円・検査料3,300円とお薬代で、お薬代は2.5mgで4本16,800円(税込)からです。期間や費用の目安は肥満症治療の料金・治療期間の目安の記事をご覧ください。

ご理解いただきたい注意点

  • ✓ マンジャロは国内では2型糖尿病の治療薬として承認されており、肥満症への使用は国内未承認です
  • ✓ 当院で使用するマンジャロは、国内の製薬メーカーから正規の流通経路で入手しています(海外からの個人輸入品ではありません)
  • ✓ まったく同じ成分(チルゼパチド)の肥満症治療薬として、国内ではゼップバウンドが承認されています(条件を満たす場合は保険適用)
  • ✓ 主な副作用は吐き気・便秘・下痢などの消化器症状で、増量直後に出やすく、数日で軽くなることが多いです
  • ✓ 自由診療のため、重い副作用が起きた場合に医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります
  • ✓ 自由診療と保険診療は、同じ日にあわせて受診することができません

7.よくある質問

 

Q1. ダイエット中に「停滞期」が来るのはなぜですか?

A. 体重が減ると、食欲が増えて消費エネルギーが減る「代謝適応」が起こるためです。体の正常な反応なので、体重が横ばいでも、続けてきた取り組みが無駄になったわけではありません。

Q2. 一度落ちた代謝は、元に戻らないのですか?

A. 減量の程度や方法によって差があります。極端な減量では長く続いた例もありますが、一般的な減量では、体重が安定すると小さくなるという研究もあります。筋肉量を保つことと、急激な減量を避けることが大切です。

Q3. 家族みんな太っています。自分もやせられないのでしょうか?

A. いいえ。体質は太りやすさに関わりますが、生活習慣や治療で体重は変えられます。研究では、遺伝的に太りやすい人ほど食事や運動の効果が出やすいこともわかっています。

Q4. 運動でダイエットをがんばっているのに、体重が減りません。

A. 運動で使ったエネルギーの一部は、食欲の増加や無意識の活動の低下で打ち消されるため、体重に表れにくいことがあります。それでも運動には、体重の維持や血圧・血糖の改善などの効果があります。食事の見直しと組み合わせることが大切です。

Q5. どのくらい体重を減らせば、健康によいのですか?

A. 肥満症診療ガイドラインでは、まず3〜6か月で現在の体重の3%以上を減らすことが目標とされています。体重80kgの方なら約2.4kgです。少しの減量でも、血圧や血糖などの改善が期待できます。

Q6. 薬による治療をやめると、リバウンドしますか?

A. その可能性があります。臨床試験(SURMOUNT-4)では、マンジャロと同じ成分の薬で体重を減らした後に中止したグループは、その後1年間で体重が約14%増えました。やめるときは担当医と相談し、生活習慣を整えながら段階的に進めることが大切です。結果には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありません。

Q7. 肥満症治療外来を受診するには、どうすればよいですか?

A. WEB予約から肥満症治療外来をご予約ください。健診結果や直近の採血結果があればお持ちください。自由診療のため、保険診療とは別の日にご予約をお願いします。対象や流れは肥満症治療外来のページをご覧ください。

8.記事のまとめ

 

  • ダイエットがうまくいかないのは、意志の弱さだけが原因ではありません
  • 体格の個人差のおよそ半分〜7割は遺伝によるもので、同じだけ食べても運動しても結果は人それぞれです
  • やせると食欲が増え(1kgあたり1日約100kcal)、消費エネルギーも減る「代謝適応」が起こります
  • 運動で使ったエネルギーの約3割は、体が自然に打ち消してしまいます
  • 筋トレ・日常の活動量・睡眠を意識し、無理なく続けられる方法を選びましょう
  • 自分の努力だけで難しいときは、医療に頼ってよいのです。まずは肥満症治療外来でご相談ください

久が原・池上エリアをはじめ、大田区でダイエットがうまくいかずにお悩みの方へ。当院では、体質や生活に合わせた肥満症治療をご提案しています。くわしくは肥満症治療外来のページをご覧ください。

 

参考情報

Variability in the heritability of body mass index(Elks CE, Front Endocrinol 2012)
Polygenic prediction of body mass index and obesity through the life course and across ancestries(Nat Med 2025)
The response to long-term overfeeding in identical twins(Bouchard C, N Engl J Med 1990)
The response to exercise with constant energy intake in identical twins(Bouchard C, Obes Res 1994)
Role of nonexercise activity thermogenesis in resistance to fat gain in humans(Levine JA, Science 1999)
Long-term persistence of hormonal adaptations to weight loss(Sumithran P, N Engl J Med 2011)
How strongly does appetite counter weight loss?(Polidori D, Obesity 2016)
Changes in energy expenditure resulting from altered body weight(Leibel RL, N Engl J Med 1995)
Persistent metabolic adaptation 6 years after “The Biggest Loser” competition(Fothergill E, Obesity 2016)
Constrained total energy expenditure and metabolic adaptation to physical activity(Pontzer H, Curr Biol 2016)|ScienceDaily
Energy compensation and adiposity in humans(Careau V, Curr Biol 2021)|Lifespan.io
肥満症(肥満症診療ガイドライン2022に基づく背景資料)|国立保健医療科学院
Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction(SURMOUNT-4)|JAMA. 2024

 

 

<この記事の監修者>

久が原ファミリークリニック院長森川 日出男

森川 日出男(もりかわ ひでお)
久が原ファミリークリニック 院長

経歴
日本医科大学卒業。国立病院機構 東京医療センターにて初期研修、総合内科後期研修、小児科後期研修を修了し、同センター総合内科医員を務める。その間、松原アーバンクリニックの非常勤医師として訪問診療に従事。その後、自由が丘メディカルプラザにて内科・小児科・訪問診療に従事し、久が原ファミリークリニックを開業。

資格・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
臨床研修指導医(厚生労働省)
日本小児科学会/日本内科学会/日本プライマリ・ケア連合学会/日本感染症学会

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