【2026年】肥満の原因は食べ過ぎだけ?睡眠不足・遺伝・睡眠時無呼吸との関係|大田区 久が原・池上|大田区久が原の内科・小児科|久が原ファミリークリニック|池上駅徒歩12分・土曜日も診察対応
【2026年】肥満の原因は食べ過ぎだけ?睡眠不足・遺伝・睡眠時無呼吸との関係|大田区 久が原・池上
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肥満の原因は、食べ過ぎや運動不足だけではありません。睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群、生まれつきの体質も、太りやすさ・やせにくさに大きく関わっています。
【まとめ】肥満の原因は一つではありません
「食べる量を減らしているのにやせない」「家族もみんな太りやすい」と感じていませんか。肥満には、食事や運動のほかにも、さまざまな原因が重なっています。
くわしくは下の各章でご説明します。当院の肥満症治療については肥満症治療外来のページ、睡眠時無呼吸の検査は睡眠時無呼吸症候群のページをご覧ください。

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、2024年の肥満(BMI25以上)の人の割合は男性32.4%、女性19.3%でした。男性は10年前(2014年、28.7%)より増え、ここ数年は高い水準のまま推移しています。30〜60代では約3人に1人が肥満です。一方、女性の割合はこの10年で大きな変化はみられていません。

肥満はBMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上の状態を指します。肥満に、糖尿病や高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害が加わると「肥満症」と診断され、医学的な治療の対象になります。
体重は、食事でとるエネルギーと、体を動かしたり生命を維持したりするために使うエネルギーのバランスで決まります。肥満の原因の基本は、やはり食事と運動です。
ただ最近は、「どれだけ食べるか」だけでなく「何を食べるか」も注目されています。米国立衛生研究所(NIH)の試験では、加工度の高い食品(超加工食品)中心の食事にすると、素材中心の食事よりも食べる量が自然に増え、体重も増えたと報告されています。
食べ過ぎは「意志が弱いから」とは限りません。食べ過ぎやすい食品や環境が身の回りに多いことも、肥満の原因の一つです。
日本では、1日の睡眠が6時間未満の人が、男女とも約4割にのぼります(厚生労働省 国民健康・栄養調査 2019年)。睡眠不足は、肥満の原因として注目されている生活習慣の一つです。
数十万人規模のデータをまとめた解析では、睡眠時間が短い人ほど肥満が多い傾向が、子どもでも大人でも一貫して見られました。ただし、これだけでは「睡眠不足が原因で太る」とまでは言えません。そこで、睡眠時間を実際に変えて体の変化を調べる試験も行われています。いずれも少人数の研究ですが、次のような変化が報告されています。
反対に、睡眠が短い人が睡眠の習慣を見直して睡眠時間を延ばしたところ、普段の生活のまま食べる量が減ったという報告もあります。睡眠は、自分で変えられる肥満の原因の一つと考えられています。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に気道(空気の通り道)がふさがり、呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。大きないびきや、日中の強い眠気が代表的な症状です。肥満と睡眠時無呼吸症候群は、お互いを悪くし合う関係にあります。

体重が増えると、首やのどのまわりに脂肪がつき、寝ている間に気道がふさがりやすくなります。米国で同じ人を数年おきに調べた研究では、体重が増えると無呼吸が悪化し、体重を減らすと軽くなることが報告されています。
一方、無呼吸で何度も目が覚めると、睡眠不足と同じように食欲が増えやすくなります。日中の眠気やだるさで体を動かす気力もわきにくくなります。こうして「太る → 無呼吸 → 眠れない → さらに太る」という悪循環が生まれます。
また、日本人はあごが小さいなどの骨格の特徴から、欧米人ほど太っていなくても睡眠時無呼吸症候群になりやすいとされています。「少し太っただけ」でも、いびきや日中の眠気がある方は注意が必要です。
くわしくは睡眠時無呼吸症候群のページをご覧ください。
2026年5月、肥満症治療薬「ゼップバウンド」に、肥満を伴う中等症以上の睡眠時無呼吸症候群への保険適用が加わりました。ただし、BMIや検査結果、3か月以上の食事・運動療法などの条件があります。また、処方できるのは専門医や管理栄養士が常勤する学会認定の医療機関に限られます。
当院は、ゼップバウンドを保険で処方できる施設の条件にはあたりません。ただし、肥満症の方には、自由診療で同じ成分(チルゼパチド)のマンジャロによる肥満症治療を行っています。体重が減ることで、睡眠時無呼吸症候群の改善が期待できる場合があります。
マンジャロは国内では2型糖尿病の治療薬として承認されており、肥満症や睡眠時無呼吸症候群への使用は国内未承認です(国内の製薬メーカーから正規の流通経路で入手しています)。自由診療のため全額自己負担となり、重い副作用が起きた場合に医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。主な副作用は吐き気・便秘・下痢などの消化器症状です。料金や注意点は肥満症治療の料金・治療期間の目安の記事をご覧ください。保険診療での治療を希望される方には、条件を満たす医療機関をご紹介します。
同じものを食べても太りやすい人とそうでない人がいるのは、体質の違いも大きな理由です。双子や家族を調べた研究から、体格(BMI)の個人差のおよそ半分〜7割は遺伝によるものと報告されています。太りやすさは、身長に次いで遺伝しやすい体の特徴の一つです。
なお、「遺伝が半分〜7割」というのは、たくさんの人を比べたときの体格の差のうち、遺伝で説明できる割合です。「ある人の肥満の半分以上が遺伝のせい」という意味ではありません。
ここ数十年で肥満の人が増えたのは、遺伝子が変わったからではありません。食べ物がいつでも手に入り、体を動かす機会が減ったという環境の変化によるものです。太りやすい体質の人ほど、こうした環境の影響を受けやすいと考えられています。
逆に、生活習慣で体質の影響を弱めることもできます。約22万人を調べた研究では、運動習慣のある人では、FTO遺伝子による太りやすさが約3割弱まっていました。
2025年に約500万人の遺伝情報をもとに行われた研究では、遺伝的に太りやすい人ほど、食事や運動の取り組みで体重がよく減りました。一方で、取り組みをやめた後は体重が戻るのも早いという結果でした。
つまり、「遺伝だから仕方ない」わけではありません。体質が決めるのは太りやすさの「なりやすさ」で、生活習慣や治療によって体重は変えられます。太りやすい体質の方ほど、早めの対策と、無理なく続けられる方法を医療機関と一緒に考えることが役に立ちます。
肥満の中には、病気や薬が原因で起こるもの(二次性肥満)もあります。
「食事は変えていないのに急に太った」「むくみやだるさ、月経の乱れもある」といった場合は、一度ご相談ください。原因となる病気を治療したり、薬を調整したりすることで改善することがあります。自己判断で薬をやめるのは危険ですので、必ず処方した医師にご相談ください。
ここまで見てきたように、肥満の原因は一人ひとり異なり、いくつもの原因が重なっていることも少なくありません。そのため肥満症治療では、食事や運動だけでなく、睡眠や持病、飲んでいる薬まで含めて原因を確認することが大切です。
当院の肥満症治療外来では、問診や血液検査で原因や合併症を確認したうえで、食事・運動の見直しに加え、必要に応じて薬による治療(自由診療)をご提案しています。いびきや日中の眠気がある方には、睡眠時無呼吸症候群の検査もあわせてご案内します。治療にかかる期間や費用は肥満症治療の料金・治療期間の目安の記事をご覧ください。
なお、薬による治療を続けていても、途中で体重が下がりにくくなることがあります。体重が減ると体がエネルギーを節約しようとする働きや、睡眠不足、筋肉量の低下などが関わっていると考えられています。体重が下がり止まったときの原因と対策は、別の記事でくわしくご紹介する予定です。
Q1. あまり食べていないのに太るのはなぜですか?
A. 食べた量は少なめに見積もられやすいことに加え、睡眠不足や体質、甲状腺の病気や薬の影響などが関わっていることがあります。気になる場合は、一度ご相談ください。
Q2. 睡眠時間はどのくらいとればよいですか?
A. 必要な睡眠時間には個人差がありますが、厚生労働省の指針では、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することがすすめられています。寝る前のスマホを控える、毎朝同じ時間に起きるなどの工夫も役立ちます。
Q3. いびきが大きいのですが、睡眠時無呼吸症候群かどうか調べられますか?
A. はい、当院では診断のための検査を行っています。家族にいびきや呼吸の止まりを指摘された方、日中の眠気が強い方はご相談ください。
Q4. 太りやすいのは遺伝なので、やせられないのでしょうか?
A. いいえ。体質は太りやすさに関わりますが、生活習慣や治療で体重は変えられます。研究では、遺伝的に太りやすい人ほど食事や運動の効果が出やすい一方、やめると体重が戻りやすいこともわかっています。早めに対策を始め、無理なく続けることが大切です。
Q5. 当院でゼップバウンドによる睡眠時無呼吸症候群の治療は受けられますか?
A. 当院は保険で処方できる施設の条件にあたらないため、ゼップバウンドの保険での処方は行っておりません。肥満症の方には、自由診療で同じ成分のマンジャロによる肥満症治療を行っています(国内未承認の使い方です)。体重が減ることで、無呼吸の改善が期待できる場合があります。保険診療を希望される方には、条件を満たす医療機関をご紹介します。当院では診断のための検査やCPAP治療も行っています。
Q6. 肥満症治療を受けるには、どうすればよいですか?
A. まずは肥満症治療外来の初診でご相談ください。直近の健康診断や採血結果をお持ちいただくと、検査が不要になることがあります。料金や期間はこちらの記事をご覧ください。
久が原・池上エリアをはじめ、大田区で肥満や肥満症治療についてお悩みの方へ。太りやすさの原因は人によって異なります。生活習慣だけでなく、睡眠や体質、持病も含めて一緒に確認し、無理のない方法をご提案します。
対象となる方・対象外となる方など、治療の詳細は肥満症治療外来のページをご覧ください。
参考情報
令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省
平成26年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省
休養・睡眠領域資料(令和元年 国民健康・栄養調査)|厚生労働省
Heavily processed foods cause overeating and weight gain(Hall KD, Cell Metab 2019)|NIH
Meta-analysis of short sleep duration and obesity in children and adults(Cappuccio FP, Sleep 2008)|AASM
Sleep loss boosts appetite(Spiegel K, Ann Intern Med 2004)|UChicago Medicine
Sleep deprivation may cause people to eat more calories(Al Khatib HK, Eur J Clin Nutr 2016)|King’s College London
Getting more sleep reduces caloric intake(Tasali E, JAMA Intern Med 2022)|UChicago Medicine
Longitudinal study of moderate weight change and sleep-disordered breathing(Peppard PE, JAMA 2000)
Variability in the heritability of body mass index(Elks CE, Front Endocrinol 2012)
Polygenic prediction of body mass index and obesity through the life course and across ancestries(Nat Med 2025)
Physical activity attenuates the influence of FTO variants on obesity risk(Kilpeläinen TO, PLoS Med 2011)
最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)|厚生労働省
<この記事の監修者>

森川 日出男(もりかわ ひでお)
久が原ファミリークリニック 院長
経歴
日本医科大学卒業。国立病院機構 東京医療センターにて初期研修、総合内科後期研修、小児科後期研修を修了し、同センター総合内科医員を務める。その間、松原アーバンクリニックの非常勤医師として訪問診療に従事。その後、自由が丘メディカルプラザにて内科・小児科・訪問診療に従事し、久が原ファミリークリニックを開業。
資格・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
臨床研修指導医(厚生労働省)
日本小児科学会/日本内科学会/日本プライマリ・ケア連合学会/日本感染症学会
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