ヘルパンギーナ|久が原ファミリークリニック|小児科・内科 |大田区久が原・池上
ヘルパンギーナ
Herpangina
Herpangina
ヘルパンギーナは、突然の発熱と口の中に水疱性の発疹が出る、急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に夏季に流行するいわゆる夏かぜの代表的疾患です。毎年5 月頃から増え始め、夏にピークとなり秋以降にはあまり見られなくなります。国内での流行は例年西から東へと推移します。患者さんは5歳以下が全体の90%以上を占め、1歳代が最も多くみられます。
ウイルスの感染によって起こる感染症で、その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスによって起こります。エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科に属する多数のウイルスの総称で、ポリオウイルス、コクサッキーウイルスA群(CA)、コクサッキーウイルスB群(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68~71 型)など多くの種類があります。ヘルパンギーナに関してはCA が主な病因です。その中でも複数の種類があるため、何回も感染する可能性があります。
患者さんの咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します(飛沫感染)。また、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(糞口・接触感染)。症状が改善した後もウイルスは便から2〜4週間排出され続けるため、糞口感染に関しては、2〜4週間注意が必要です。
・潜伏期間は2~4日
・突然の発熱に続いて、口の中に2~3mmの水疱性発疹ができるため強い痛みを伴います。
・発熱時に熱性けいれんを伴うことや、ノドの痛みが強いため不機嫌、食事や水分が取れないなどの症状があります
・2 ~4 日間程度で解熱し、その後口の中の水疱も消失します。
ヘルパンギーナはウイルス感染なので残念ながら特効薬はありません。症状に応じた対症療法が行われます。口の中に水疱ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、脱水にならないように水分補給を心がけることが大切です。