◆ Q&A
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抗菌薬はいつ使うのですか?
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細菌感染の予防効果はありますか?
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良くなったら途中でやめてよいですか?
Anti-biotics
近年、抗菌薬(抗生物質)の不適切な使用や多用により、抗菌薬が効かない(効きづらい)薬剤耐性菌の出現が世界中で問題になっています。
不適正な抗菌薬使用に対してこのまま何も対策が講じられなければ、2050 年には全世界で年間 1,000 万人が薬剤耐性菌により死亡すると推定されています。日本でも薬剤耐性菌により、2017年に8千人以上が死亡したと報告されています。
それを受けて世界中、もちろん日本でも抗菌薬の適正使用の取り組みが進められているという経緯があります。
細菌やウイルスなどの病原体が体に入って、咳や下痢、発熱など様々な症状が出る疾患を「感染症」といいます。病原体は大きさや構造によって、細菌・ウイルス・真菌(カビ)・寄生虫などに分類されます。
抗菌薬とは、「細菌」を壊したり増殖を抑えたり、殺したりする薬です。つまり、ウイルスや真菌などの「細菌以外の病原体」が原因となる感染症には効きません。
☆☆☆ 風邪やウイルス性胃腸炎には効きません ☆☆☆
「風邪」はウイルスが原因なので抗菌薬は効きません。同様に、胃腸炎の多くもウイルス性なので効きません。その他、インフルエンザ、RSウイルス感染症、突発性発疹、手足口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルスなどのウイルス性疾患にも効きません。