大人になってからの予防接種

大人の方の予防接種は、年齢、妊娠、基礎疾患(特に、免疫が低下する病気、心臓や肺の病気、糖尿病、肝臓・腎臓病など)、海外への渡航前、医療従事者など、状況によって推奨されるものが異なります。皆様それぞれに合った予防接種をご提案させていただきますので、是非ご相談ください。
成人予防接種スケジュール


| ワクチン |
推奨 |
接種回数 |
自費価格(税込) |
公費補助 |
| インフルエンザ |
全ての方 |
1回 |
3,500円/回 |
◯ |
| 肺炎球菌(23価) |
65歳以上、基礎疾患ある方 |
5年ごと |
8,800円/回 |
◯ |
| 肺炎球菌(20価) |
65歳以上、基礎疾患ある方 |
1回 |
11,000円/回 |
– |
| 帯状疱疹(水痘ワクチン) |
50歳以上 |
1回 |
7,700円/回 |
◯ |
| 帯状疱疹(シングリックス) |
50歳以上 |
2回 |
22,000円/回 |
◯ |
| B型肝炎 |
医療従事者、免疫不全の方 |
3回 |
5,500円/回 |
– |
| MR(麻疹風疹) |
未接種の方、妊娠希望の方 |
1回 |
9,900円/回 |
◯ |
| A型肝炎 |
流行地への渡航前 |
3回 |
9,900円/回 |
– |
| 子宮頸がん(9価) |
初回の性交渉前 |
3回 |
27,500円/回 |
◯ |
| 破傷風 |
全ての方 |
3回 |
4,400円/回 |
– |
| 三種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳) |
妊婦、赤ちゃんを育てる方 |
1回 |
5,500円/回 |
– |
| 髄膜炎菌 |
流行地への渡航前 |
1回 |
22,000円/回 |
– |
(※)公費補助にはそれぞれのワクチンで条件があります。ご確認ください。
(※)当院では輸入ワクチンの取り扱いはありません。海外渡航前で輸入ワクチン接種をご希望の方は、KARADA内科クリニックをご紹介しています。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、強い痛みを伴う帯状の湿疹ができる皮膚疾患です。水ぼうそうと同じウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因であり、1回目の感染では水痘が発症しますが、その後ウイルスは体内の神経節にひそみ続け、2回目以降の感染で帯状疱疹として発症します。加齢に伴って発症率が高くなる疾患で、特に50歳代から急激に増加し、80歳までに約3人に1人が発症するとされています。また、帯状疱疹の発疹が完治した後もその部位に痛みが持続し、「帯状疱疹後神経痛」になることがあります。この神経痛は治療をしてもなかなか改善しないこともあり、中には一生続いてしまう方もいます。
帯状疱疹の予防方法は?
現在日本では帯状疱疹を予防するために2種類のワクチンがあります。一つは、2016年に帯状疱疹の予防に関する認可がおりた水痘ワクチンです。もう一つは、2020年1月に認可されたシングリックスというワクチンです。
いずれのワクチンも適用年齢は50歳以上になります(※シングリックスは一部18歳以上の人も適応になりました)。帯状疱疹発症の好発年齢も50歳以上です。
水痘ワクチンとシングリックスの比較
2つのワクチンのどちらを接種したら良いか、迷う方もいると思いますので、両者の特徴を表にまとめました。シングリックスは非常に予防効果が高いワクチンです。その分、水痘ワクチンに比べると高価で、副反応の頻度も多くなっています。2025年4月から定期接種化されました(任意接種も可能です)。助成金が出ますので、この機会にぜひ接種をご検討下さい。定期接種についてはブログにまとめています。そちらもご参照下さい。

日本では年間63,000人の入院、4,500人の院内死亡が推定されており、アメリカでは6~16万人が入院、6,000~10,000人が死亡していると推定されています。