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インフルエンザワクチンどちらを選ぶ?「フルミスト」と「注射型インフルエンザワクチン」|久が原ファミリークリニック|小児科・内科 |大田区久が原・池上

インフルエンザワクチンどちらを選ぶ?「フルミスト」と「注射型インフルエンザワクチン」

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2種類のワクチンが選択可能になりました!

インフルエンザの予防には、ワクチン接種が非常に効果的です。インフルエンザワクチンには今までの「注射不活化ワクチン」以外にも2024年から「経鼻生ワクチン(フルミスト®)」が日本でも承認を得て販売開始となりました。2025年から大田区の助成が行われることになったので、当院でも接種を開始します。

このページでは、これら2つのワクチンについて詳しく比較し、それぞれの特徴を理解していただけるようにまとめました。ぜひワクチンの選択の際にご活用ください。

 


 

 フルミストとは?

 

 

まず、フルミストについて簡単に説明します。

フルミストは、鼻腔に噴霧するタイプのワクチンで、2歳以上19歳未満の子どもや若者を対象としています。成人や高齢者は対象外です。痛みを伴わないため、特に注射が苦手、痛みに敏感な子どもたちにはぴったりの選択肢です。鼻の中に噴霧されたワクチンが体内で免疫反応を引き起こし、インフルエンザウイルスに対する免疫を作ります。

アメリカでは2003年に承認され、ヨーロッパでも2011年に承認されていますが、日本では2024-2025シーズンから国内承認が始まりました。

 


 

 ワクチンの種類

🌬 経鼻生ワクチン(フルミスト)

生きたインフルエンザウイルスの病原性をできるだけ抑え、免疫が作れるギリギリまで弱めた製剤です。ウイルス自体が体内で増殖することを通じて免疫を獲得します。自然感染と似た流れで免疫を作ることができ効果が長持ち(約1年)します。1回の接種で十分な効果が期待され、迅速に免疫を獲得できます。

 

💉 注射不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)

インフルエンザウイルスを不活化(殺菌)した製剤です。ウイルスそのものは生きていないため、感染のリスクは全くありません。 複数回の接種が推奨されており、免疫が完全に獲得されるまでに時間がかかることがあります。特に免疫力が弱い方や小さな子どもには、2回の接種が必要です。持続効果は約4ヶ月程度とされています。

 


 

 効果

2種類のワクチンの効果ですが、フルミストも注射型ワクチンも、インフルエンザの発症を予防する効果は基本的に同等です。

経鼻生ワクチンは鼻腔粘膜に直接作用するため、ウイルスの侵入を防ぐ「局所免疫」が強化されます。鼻や喉からの感染予防効果が期待されます。

注射不活化ワクチンは主に体内でウイルスの増殖を抑える「全身免疫」が形成され、重症化の予防や症状の緩和に効果的です。

 


 

 副反応

🌬 経鼻生ワクチン(フルミスト)

30~40%の人で接種後3日~7日までに鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳などの感冒症状が、数%の人で発熱が出ることがあります。重篤な副作用は非常に稀です。

 

💉 注射不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)

注射部位に痛みや腫れが生じることが主な副反応です。ごく稀に、発熱や体のだるさといった全身的な反応が見られることもあります。重篤な副作用は非常に稀です。

 


 

 フルミストが接種できない方

  • 発熱中や急性疾患に罹患中の方
  • 卵白やその他のワクチン成分に対して重度のアレルギーやアナフィラキシーの既往がある方
  • 妊娠中の方
  • 免疫不全の方(生インフルエンザワクチンであり、飛沫又は接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1~2週間は、重度の免疫不全者との接触は避けて下さい)
  • 重度の喘息を持っている方

喘息の方への接種について

米国では、「喘息または喘鳴の既往歴のある 2~4 歳児」への接種を推奨していない一方で、本邦の添付文書上では「重度の喘息を有する者、又は喘鳴の症状を呈する者」における接種には注意が必要とされています。

当院では、「一年以内に喘息発作を起こしていない方」に関しては接種可能とします。一年以内に喘息発作を起こした方は、注射不活化ワクチンの接種をお願いします。

 


 

 まとめ