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筋肉注射について

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日本のワクチン接種はなぜ皮下注か?

日本のワクチンは皮下注射が主流ですが、海外のほとんどの国ではワクチンは筋肉注射です。

 

日本でワクチンの筋注が避けられてきた理由として、薬剤筋注投与による大腿四頭筋短縮症が社会問題となった時代背景があります。しかし、原因薬剤として当時問題となったものの多くはワクチンではなく、抗菌薬や鎮痛剤の筋注でした。

この大腿四頭筋短縮症の問題から、筋注それ自体が問題であるという考えが定着してしまったために、ワクチンにおいても日本では筋注投与に慎重な判断が取られています。

 

 

日本以外の諸外国ではなぜ筋注か?

日本以外の国で、筋注によるワクチン投与が行われている理由は大きく2つ考えられます。

 

①抗体産生が良好であること
②副反応が少ないこと

 

です。
特に、抗原物質の作用を強めるための添加物は刺激性が強いため、 局所の刺激・炎症・壊死の危険があるとされています。その軽減を目的として米国疾病予防管理センター(CDC)や諸外国のガイドラインでは筋注によるワクチン投与を推奨しています。

 

副反応に関して皮下注と筋注とを比較した過去の研究では、その多くは皮下注によるワクチン投与群の方が副反応が多かったと報告されています。2009年の新型インフルエンザの輸入ワクチンにおいても、筋注より皮下注の方が局所の副作用が多かったと報告されています。

 

また、抗体産生の点でもワクチンの種類にはよるものの、筋注の方が良好であるものが多いと報告されています。
例えば、インフルエンザワクチンやB型肝炎ワクチンに関する皮下注と筋注による抗体産生と副反応を比較した研究では、局所の副反応は皮下注で多く、抗体産生は筋注群の方が高かったと報告されています。

 

皮下注の方法

今回の新型コロナワクチンに関しては、現時点で承認されているものは全て海外で開発されたものなので、治験も全て筋注でなされています。
従って、日本国内での接種であっても筋注で実施する必要があります。

 

 

筋注の場所ですが、三角筋に注射します。
「肩峰」という肩の出っ張った部分から、指3本を横に並べた分間隔をあけた場所です。

 

針を刺す深さは、一般的に欧米人に比べ日本人は皮下脂肪が薄いため、「13~20mm程度」とされています。
針を刺す角度はTVでもよく映像が流れていますが、「垂直」です。

 

もう1つ安全な筋注の場所の選び方として、以下の場所も推奨されています。

先程の「肩峰」から下ろした線と、体を横から見て前後のワキの頂点を結ぶ線が交わる点です。

 

ワクチン接種前にご自身で大体の位置を確かめておくと良いと思います。