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新型コロナワクチン3回目接種について|久が原ファミリークリニック|小児科・内科 |大田区久が原・池上

新型コロナワクチン3回目接種について

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このブログを書いている2021年11月17日の時点で、日本国内の新型コロナウイルスの感染者数は欧米諸国と比較して極めて低い数で推移しています。ワクチン接種率の高さや徹底した感染対策のおかげと言えるでしょう。

 

更なる感染の波を起こさせないための政策として、ワクチンの3回目接種を行うことが決定されました。3回目の接種が始まる前に分かっている情報をまとめておこうと思います。随時、追記していきます。

 

3回目接種の概要

新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)の対象は、以下を全て満たす方全員です。

 

▷2回接種が完了している方
▷2回目接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方
▷18歳以上の方(今後データが集まれば対象年齢が引き下げられる可能性あり)

 

 

接種に使用するワクチン

1回目・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、メッセンジャーRNAワクチンを使用します。

現在3回目接種に承認されているのは、ファイザー社のワクチン です。
※武田/モデルナ社のワクチンについては、追加接種(3回目接種)に向けての薬事承認審査中です。

 

 

接種が受けられる場所

原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場での接種となります。大田区では1,2回目と同様、集団接種と個別接種の両方が行われる予定で準備が進められています。

なお、やむを得ない事情で住所地でのワクチン接種ができない方は、住所地以外で受けていただくことができる場合があります。具体的な手続きは、「コロナワクチンナビ:住所地外接種届について」をご覧ください。

 

 

接種を受けるための手続き

以下のような方法で接種を受けることになります。

  1. 市町村から追加接種用の「接種券」と「新型コロナワクチン追加(3回目)接種のお知らせ」が届きます。
  2. ワクチンを受けることができる医療機関や接種会場をお探しください。(接種が受けられる場所を参照)
  3. 予約をしてください。(当院は原則独自のインターネット予約、ネットが出来ない方は電話や来院でも可)
  4. ワクチンを受ける際には、市町村より郵送される「封筒の中身一式」と「本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)」を必ずお持ちになってください。
  5. 当日は、速やかに肩を出せる服装でお越しください。

 

 

なぜ3回目の接種を行うのか?

「ワクチン接種後の感染・発症予防効果は緩やかに低下するから」です

 

日本で接種が進められているワクチンは、高い発症予防効果があり、感染や重症化を予防する効果も確認されています。しかしその後の研究で、感染予防効果等は時間の経過に伴い、徐々に低下していくことが、様々な研究結果等から示唆されています。

 

アメリカで行われたファイザー社のワクチンを接種した340万人の研究によると、接種後1か月~5か月にかけて感染予防効果は全年齢で88%(86-89%)から47%(43-51%)に低下しています。

 

年齢別にみても

  • 16-44歳:89%➡39%
  • 45-64歳:87%➡50%
  • 65歳以上:80%➡43%

と低下していました。

 

下図のように変異株の種類に関わらず同様に低下しています。(デルタ株:93%➡53%、その他の変異株:97%➡67%)

 

この傾向はファイザー社製ワクチンだけでなく、モデルナ社製ワクチンやアストラゼネカ社製ワクチンでも同様の傾向がみられています。

 

3回目の効果や副反応はどれくらい?

<ファイザー社のワクチン>

イスラエルで実施された研究では、追加接種した場合では、追加接種を受けなかった場合と比較して

・入院予防効果は93%
・重症化予防効果は92%
・死亡に対する予防効果は81%

であったと報告されています。

 

さらに、60歳以上で追加接種を受けた場合では、追加接種を受けなかった場合と比較して

・感染例の発生率が11.3分の1
・重症例の発生率が19.5分の1

であったとの報告もあります。

 

ファイザー社からの報告では、3回目接種による発症予防の有効性は95.6%、中和抗体価は5倍以上に増加したと発表しました。
モデルナ社からの報告では、中和抗体価が2回目の半量の接種で42倍に増えたと発表しました。

副反応に関して、ファイザー社は2回目と比べ同程度もしくは低い頻度、モデルナ社も許容できる範囲で半数以上は軽度か中等度であったと伝えています。

 

 

 

なぜ8ヶ月あけるのか?

予防接種法に基づく追加接種の間隔は、諸外国での状況や、ワクチンの効果の持続期間の知見を踏まえ、2回目の接種完了から原則8ヶ月以上後とされています。

各国の感染状況などを見て、前倒しになる可能性も十分に考えられるため、最新の情報が決まり次第アップデートします。